【2026】特定技能「飲食料品製造業」分野の試験とは?試験対策のポイントを解説
近年、日本国内では深刻な人手不足が続いており、特定技能外国人を採用する企業は年々増加しています。
数ある特定産業分野の中でも、飲食料品製造業分野は最も多くの特定技能外国人を受け入れている分野として注目されています。
飲食料品製造業では、現場で活躍する外国人材に対し、特定技能1号・特定技能2号の在留資格を取得してもらいたいと考える企業も少なくありません。しかし、特定技能の在留資格を取得するためには、定められた試験への合格が必須となります。
本記事では、2026年時点の最新制度を踏まえ、飲食料品製造業分野における
- 特定技能試験の概要
- 特定技能1号・2号の違い
- 各試験のポイント
について、分かりやすく解説します。
飲食料品製造業分野で特定技能を取得するための試験とは
飲食料品製造業分野で特定技能の在留資格を取得するためには、在留資格の種類ごとに定められた試験に合格する必要があります。ここでは、飲食料品製造業分野で特定技能1号・特定技能2号の在留資格を取得するための試験について紹介します。
参照元:
飲食料品製造業分野(出入国在留管理庁)
特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-飲食料品製造業分野の基準について-(出入国在留管理庁)
1. 飲食料品製造業分野で特定技能1号を取得するための試験
飲食料品製造業分野で特定技能1号を取得するためには、次の試験に合格する必要があります。
日本語試験:日本語能力試験(以降「JLPT」)N4以上に合格する、もしくは、国際交流基金日本語基礎テスト(以降「JFT-Basic」)で認定基準点以上を取得する
技能試験:飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験に合格する
外国人材が技能実習2号を修了している場合、条件によっては特定技能1号の試験が免除となります。具体的には、職種を問わず技能実習2号を良好に修了している場合、日本語試験が免除となります。
また、飲食料品製造業に関する分野で技能実習2号を良好に修了している場合は、技能試験が免除されます。
2. 飲食料品製造業分野で特定技能2号を取得するための試験
飲食料品製造業分野で特定技能2号を取得するためには、技能試験に合格する必要があります。日本語試験に関する要件は課されていません。
技能試験:飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験に合格する
また、特定技能2号の在留資格を取得するためには、技能試験の合格に加えて、次の実務経験の要件を満たすことが求められます。
実務経験:飲食料品製造業分野において、複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者として2年以上の実務経験を有すること
特定技能制度とは
特定技能制度とは、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野(以降「特定産業分野」)において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていくために、2019年に創設された在留資格制度です。
制度の創設以降、日本に在留する特定技能外国人の総数は年々増加傾向にあります。人手不足の深刻化に伴い、今後ますます特定技能外国人は増えていくと考えられています。
特定技能制度には、特定技能1号・特定技能2号の2種類の在留資格があります。これらの在留資格には、次のような違いがあります。
項目
特定技能1号
特定技能2号
在留資格の定義
相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格
熟練した技能を要する業務に従事する活動を行うための在留資格
在留できる期間
通算で上限5年まで ※3年を超えない範囲内で法務大臣が指定した期間ごとの更新
在留期間の更新を行えば上限なく滞在可能 ※3年、2年、1年または6ヶ月ごとの更新
技能水準・実務経験
技能試験への合格が必要(技能実習2号を良好に修了した場合は免除)
特定技能1号よりも高度な技能試験への合格が必要・一定の実務経験が必要
日本語能力水準
日本語能力試験(以降「JLPT」) N4レベルの日本語試験への合格が必要(技能実習2号を良好に修了した場合は免除)
日本語試験の要件はない(一部の特定産業分野ではJLPT N3レベルの日本語試験への合格が必要)
受け入れ機関等による支援の要否
受入れ機関または登録支援機関による支援の対象
受入れ機関または登録支援機関による支援の対象外
家族帯同の可否
原則として家族帯同は不可
配偶者と子の帯同が可能(ただし「家族滞在」の在留資格の取得が必要)
在留資格「永住者」が取得できる可能性
基本的に不可能
取得可能性がある
特定技能1号の外国人材を受け入れる場合、受入れ機関は「1号特定技能外国人支援計画」を作成の上、義務的支援を提供する必要があります。これらの支援は登録支援機関に委託することが可能です。
特定技能2号は、特定技能1号からステップアップするための在留資格として設定されています。特定技能1号よりも高度な技能や実務経験が求められるため、特定技能2号は全体的に在留条件が優遇されているのが特徴的です。
特定技能制度における飲食料品製造業分野の概要
特定産業分野の一つに、飲食料品製造業分野があります。ここでは、特定技能制度における飲食料品製造業分野の概要について解説します。
1. 特定技能制度における飲食料品製造業分野とは
特定技能制度における飲食料品製造業分野とは、酒類を除く飲食料品の製造・加工や安全衛生の確保などに従事する分野のことです。
2025年6月末時点で、すべての特定産業分野の中で最も多くの特定技能外国人が受け入れられているのは飲食料品製造業分野となっています。出入国在留管理庁の統計調査によると、2025年6月末時点で日本に在留する飲食料品製造業分野の特定技能外国人の人数は次のとおりです。
参照元:特定技能在留外国人数の公表等(出入国在留管理庁)
2. 飲食料品製造業分野で特定技能外国人が従事できる業務
飲食料品製造業分野の特定技能外国人が従事できる業務は、主な業務と関連業務に分かれています。特定技能外国人に対して、主な業務を一切任せず、関連業務のみを任せることは禁じられています。
また、特定技能2号の場合は、特定技能1号の業務範囲に加えて、さまざまな管理業務に従事することができます。具体的に特定技能1号・特定技能2号の外国人材が従事できる業務は次のとおりです。
項目
特定技能1号
特定技能2号
従事する主な業務
・原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥などの、生産に関わる一連の作業など
・業務で使う機械の安全確認や、作業者の衛生管理などの、業務上の安全衛生と食品衛生を守るための業務
・原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥などの、生産に関わる一連の作業など
・業務で使う機械の安全確認や、作業者の衛生管理などの、業務上の安全衛生と食品衛生を守るための業務
・飲食料品製造業全般に関する管理業務(衛生管理、安全衛生管理、品質管理、納期管理、コスト管理、従業員管理、原材料管理など)
想定される関連業務
・原料の調達・受入れ
・製品の納品
・清掃
・事業所の管理の作業
・原料の調達・受入れ
・製品の納品
・清掃
・事業所の管理の作業
その他特記事項
–
複数の作業員を指導しながら、自身も作業を行えるトータルで管理できる能力が必要
参照元:
特定技能1号の各分野の仕事内容(出入国在留管理庁)
特定技能2号の各分野の仕事内容(出入国在留管理庁)
日本語能力試験(JLPT)N4試験とは
飲食料品製造業分野で特定技能1号の在留資格を取得するためには、日本語試験に合格する必要があります。日本語試験は「JLPT」と「JFT-Basic」の2種類に分かれていますが、この記事では多くの外国人材が受験するJLPT N4試験について解説します。
JLPTは、難易度に応じてN1〜N5の5つのレベルに試験が分かれています。このうち、N4は「基本的な日本語を理解することができる」レベルと設定されており、日本語初級レベルから中級レベルの橋渡し的なレベルといえます。ここでは、JLPT N4試験の試験概要について紹介します。
1. 試験科目
JLPTの試験は、言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解で構成されています。日本語で「話す」力や「書く」力を直接的に確認する設問はありません。
参照元:N4 大問のねらい(日本語能力試験JLPT)を参考に作成
2. 実施方法
JLPTの試験は、マークシートを活用したペーパーテスト方式となっています。試験問題はすべて日本語であり、試験範囲のレベルよりも難しい漢字にはルビが付く仕組みとなっています。
試験は年2回の頻度で開催されます。開催頻度が少ないため、余裕をもったスケジュールでの試験対策が必要です。受験料は税込7,500円です。
参照元:
試験科目と問題の構成(日本語能力試験JLPT)
得点区分・合否判定・結果通知(日本語能力試験 JLPT)
飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験とは
飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験とは、飲食料品製造業分野で特定技能1号の在留資格を取得するための技能試験です。試験は一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(以降「外国人食品産業技能評価機構」)が運営しています。
ここでは、飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験の概要について解説します。
参照元:
飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験国内試験案内(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
OTAFFが国内で実施する特定技能試験は2026年度からCBT方式に変わります(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
1. 試験科目
飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験に出題される項目と主な内容は: 食品安全・品質管理の基本的な知識, 一般衛生管理の基礎, 製造工程管理の基礎, HACCPによる衛生管理, 労働安全衛生に関する知識となります
2. 実施方法
2025年12月現在、飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験は、マークシートを活用したペーパーテスト方式です。2026年度以降は、ペーパーテスト方式から試験会場のパソコンで受験するCBT方式に移行する予定となっています。
試験問題はすべて日本語であり、漢字にはルビが付きます。
試験は年3回の頻度で開催されます。開催頻度が高くないため、計画的に学習スケジュールを設計する必要があります。受験料は税込8,000円です。
3. 合格基準
飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験の合格基準は、総合点の65%以上となっています。
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験とは
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験とは、飲食料品製造業分野で特定技能2号の在留資格を取得するための技能試験です。飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験と同様に、外国人食品産業技能評価機構が運営しています。
ここでは、飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の概要について解説します。
参照元:
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験国内試験案内(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
OTAFFが国内で実施する特定技能試験は2026年度からCBT方式に変わります(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)
1. 試験科目
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験に出題される項目と主な内容は: 飲食料品製造業での管理, 安全・安心な食品製造, 安全・安心の管理, 品質管理, 納期管理, コスト管理, よりよい管理のために となります。
2. 実施方法
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験は、マークシートを活用したペーパーテスト方式となっています。2026年度以降は、ペーパーテスト方式から試験会場のパソコンで受験するCBT方式に移行する予定です。
試験問題はすべて日本語ですが、飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験とは異なり、漢字にはルビが付きません.
試験は年3回の頻度で開催されます。開催頻度が高くないため、計画的な試験対策が求められます。受験料は税込15,000円です。
3. 合格基準
飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験の合格基準は、総合点の65%以上となっています。